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看護部の取り組み紹介

とある事例の紹介

 胃癌と診断された時から手術、延命治療望まない患者さん。失見当識や短期記憶障害が強くなり、意思疎通困難な患者さんと家族が満足できる自然な死を導く看護の事例紹介です。
 患者さんの日課は晩酌。お酒を飲みたいという訴えが多く聞かれました。病院という場所を考えると飲酒というのは可笑しなことと捉えられますが、患者さんからすると普段の日課で可笑しなことではなかったのです。
 家族も希望通りにお酒を飲ませてあげたい、望みを叶えたいという欲求がありました。カンファレンスで医師、栄養士、リハビリスタッフと情報共有し家族に好きな銘柄のお酒と愛用の江戸切子を持ってきて頂き、トロミを付けてイブニングセレモニーを行いました。当日は家族、スタッフ10名が集まりました。
 

その後・・・

 イブニングセレモニーの後、傾眠傾向、発語少なくなった中、家に帰りたいという発言聞かれました。早急に外出準備を整え、外出に行きました。トロミ酒でセレモニーを行いました。その数日後、患者さんは安らかに永眠されました。
 亡くなって半年後、グリーフケアとして自宅訪問しました。亭主関白であった患者さんを最後まで尊敬し、最後まで変わらぬ夫婦の姿だったんだという思いを語ってくれました。
 ターミナル期にある人の尊厳を持って死ぬことは、いつもそうであったように最後まで自分らしくいることです。また、家族が患者のケアに参加し、ニードを充足することは患者に対して出来るだけのことはしたという満足感につながります。ゆっくりと過ごす時間を作ったことでニードは満たされ患者家族が満足する最後を迎えられたのではないかと考えられます。

当時の様子

岩手県民主医療機関連合会
〒020-0835
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ひだまり2F
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FAX.019-635-9052
 
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